認知症について
認知症について
認知症とは、どのような病気?
認知症とは、様々な原因で脳の細胞が損傷を受け、脳の働きが悪くなり、日常生活に支障が出る状態のことです。
加齢と認知症によるもの忘れの違いとして、例えば、今日の朝ごはんの何を食べたのか思い出せないのが「加齢」によるもの忘れ、朝ごはんを食べたこと自体を忘れているのが「認知症」によるもの忘れです。
認知症の始まりは、ご自身が気づくことも少なくありません。また、家族や友人、ご近所の人など、周囲の気づきも大切です。
認知症の種類と特徴
認知症は原因となる病気によって、様々な特徴があります。
治るものもありますので、早めの受診が重要です。
主な病気として、以下の4つがあります。
65歳未満で発症する「若年性認知症」もあります。
認知症の症状
認知症には必ず現れる「中核症状」と本人の性格や環境、人間関係などの影響によりみられる症状「BPSD(行動・心理症状)」があります。
周囲の人にとっては困った行動であっても、本人にはその行動をとる理由がきちんとあります。一般的な常識や事実を押し付けるのは逆効果。認知症の進行に応じた症状であることを理解し、気持ちに寄り添って接することが大切です。
認知症の受診と治療
適切なケアや治療により、進行を遅らせたり、症状を軽減させることができます。
MCI(軽度認知障害)は認知症の手前の状態のことを言い、MCIのうちに対処すれば認知機能を回復・維持できることもあります。
早めの受診が大切です。まずは普段から通い自分のことをよくわかっているかかりつけ医に相談してみましょう。
また、介護サービスなどもうまく活用することで、認知症の進行を緩やかにしたり、生活リズムを整えることができます。
薬による治療
薬による治療で、記憶などの認知機能の障害を改善したり、悪化を緩やかにします。不安や興奮・暴力などの症状にも薬が処方されることがあります。認知症の薬は、錠剤のほか、ゼリータイプや貼るタイプなどがあります。
リハビリによるケア
リハビリはできることを活かしたり、使われていない部分の活性化につながります。家族や仲間と一緒に楽しみながらできるリハビリを行うことで、その人の意外な得意分野が発見できたり、気持ちを安定させることも期待できます。
家での役割が日々のリハビリになりますので、できることは今まで通り続けることが大切です。役割があるということは、気持ちの安定や、生きがいにもつながります。
これからのわたしを考え、備えること
年齢を重ねても、自分らしい生活を送るためには、元気なうちから「これまでのわたし」を振り返り、「これからのわたし」について考えること、そしてその考えや思いを、家族や大切な人に伝えておくことがとても大切です。
これまでの自分、そしてこれからの自分について書き留めたり、伝えるときの手助けになるのが「わたしの人生ノート」です。
このノートを活用し、ご自身の人生について、考えてみませんか。
認知症について学び、理解すること
もの忘れや認知症について不安や悩みを抱えている人やその家族、また周囲の人が、認知症のことを正しく理解し、早期発見や早期治療につなげていただけるよう、認知症の基礎知識や認知症の方との接し方、社会資源や相談窓口などをまとめた「福島市もの忘れあんしんガイドブック(福島市認知症ケアパス)」を作成しています。ぜひご活用ください。
認知症になっても、自分らしく、過ごすこと
認知症という病気は、私たちの人生の一部です。
認知症になっても、人生を自分らしく生きている人はたくさんいます。
むしろ、そうした人のほうが多いかもしれません。
仮に、認知症と診断されても その日から何もできなくなるわけではありません。
相当進行するまで、あなたの生活にとって重要な能力は失われることはありません。
~「もしも」認知症介護研究・研修仙台センター発行より一部抜粋~